日本に100万人以上いると言われている母子家庭世帯。シングルマザーにとって経済的に自立していることも大切ですが、同時に家の確保も重要になってきます。
家探しをするとき、民間の賃貸物件に入居したくてもシングルマザーというだけで断られたり、収入要件に合わないことで決まらないことが多いです。
家選びで困っているシングルマザーに強い味方となるのが「住宅供給公社(都内ではJKK東京)」です。
公的賃貸物件「JKK東京」のメリット・デメリット-礼金・仲介手数料・更新料不要の物件を探しているなら要チェック
公社の優遇制度のなかに、ひとり親にもうれしい割引制度「ひとり親世帯入居サポート」があるのをご存知でしょうか?
シングルマザーにとってうれしい制度ですが、デメリットも含めてご紹介したいと思います。
目次
シングルマザーの強い味方!公社の「ひとり親世帯入居サポート」ってなに?
公社の物件は、礼金・仲介手数料・更新料なしが魅力です。
一般賃貸住宅・都民住宅・都営住宅の3種類ありますが、家賃額により必要な収入の下限額が決まっています。
ひとりで家計を支えているシングルマザーにとって、かなり厳しい要件であり、ハードルが高くてあきらめざるを得ないことも。
そんなシングルマザーでも入居しやすいようにサポートしてくれるのが「ひとり親世帯入居サポート」なのです。
契約形態は10年間の定期借家契約。契約時に敷金2ヶ月分が必要ですが、シングルマザーでも公的賃貸住宅にとても入りやすくなっているのです。
「ひとり親世帯入居サポート」のメリットは2つ

公社の優遇制度「ひとり親世帯世帯入居サポート」を利用することによって、どんなメリットがあるのでしょうか?
1.収入審査が緩和される
収入基準が満たない場合、選べる住宅が限られてしまいます。
しかし、ひとり親世帯入居サポートを活用すると、各自治体から交付される「児童育成手当」「児童扶養手当」を月収額に合算して収入審査を受けることが可能です。
また、申込者本人の月収が基準に満たない場合には、 「収入合算」「月収基準の特例」なども利用することが可能です。
家賃50,000円の場合、月収基準は家賃の4倍以上。つまり月収200,000円で申込み可能です。
月収が18万円しかないなど、基準に満たない場合は、児童育成手当や児童扶養手当が2万円以上あれば申込み可能になります。
また、自分の収入が月収基準の1/2以上ある場合、親や兄弟の収入が基準を満たしていれば申込み可能です。
自分の収入のみで足りない場合でも、申し込める可能性がグッと高くなるのです。
2.3年間の家賃が20%割引に
契約開始日から「子どもが18歳になる年度の末日まで」または「3年間」のいずれか長い期間、家賃が20%割引になる「こどもすくすく割」制度があります。
3DKの物件で割引前の家賃が66,300円としたら、割引後の家賃は53,000円となります。年間にすると約16万円、5年間で約80万円とかなりお得になりますね。
毎月払う必要がある家賃。1万円でも安くなるとだいぶ違いますから、この割引制度はかなりお得と言えるでしょう。
「ひとり親世帯入居サポート」で入居できる物件にデメリットあり

収入審査が緩和されたり、家賃がお得になったり、といった優遇を受けられる一方でデメリットもあります。
それは、「こどもすくすく割」の対象が市部の一般賃貸住宅の4・5階の中から公社が指定した一部の住戸に限られている、ということです。つまり、都市部に住みたい人は利用することができません。
さらに、ほとんどが地上5階建てまでの古い建物で、エレベーターがついていません。
小さいお子さんがいるご家庭ではベビーカーを使われていると思いますが、エレベーターなしの5階の上り下りをしなければならないのです。
エレベーターなし賃貸マンションは止めたほうがいい?実際に4階に住んでわかったメリット
駅からの距離は徒歩10分以上または駅からバスなど離れていることも多く、都心に勤めている方は仕事と育児の両立が難しいかもしれません。
しかし、通常の家賃が4〜6万円台で「こどもすくすく割」の対象物件なら20%引きになるというお得さもあります。
シンママでもなんとか払えそうな金額ですから、「住めればどこでもいい」「家賃の安さを優先」という方にはとてもありがたい制度であること間違いありません。
家賃が抑えられるのは魅力!子どもたちと笑顔で暮らしていこう

私はシングルマザーになってから一番悩んだのが、ひとりで稼ぐなかで住居費を払っていけるのか、シングルマザーでも貸してくれる家があるのか、ということでした。
シングルマザーというだけでなんとなく世間的に認められていないというか、疎外感を感じますし、自分名義で家を貸してくれるところなんてないと思っていました。
いろいろと調べてみたら、「ひとり親世帯世帯入居サポート」というシンママに優しい優遇制度があることを知り、どことなくホッとしたのも事実です。
家賃が抑えられる点が、ひとり親には本当にうれしいポイント。浮いたお金で、子どもたちにおいしいご飯を作ってあげられます。
建物は古いし、エレベーターはついてないし、間取りも設備もとても満足度が高いとは言えないかもしれません。
しかし、愛する子どもたちと一緒に暮らせることは、どんな物件であれ何ものにも代えがたいものです。シングルマザーでも借りられる物件ないかな? とお探しの方は、ぜひ検討してみてくださいね。
いい物件が見つかり、お子さんと笑顔で一緒に暮らせますように。