中古マンションを実際に購入してわかった7つのメリット・デメリット

マンションと大きな木

マンションが欲しいけれど、新築か中古を買うかで迷われる方も多いかと思います。

新築が欲しいけれど価格が高すぎる、希望エリアに新築がないなど条件が折り合わず、それをきっかけに中古にも目を向ける方も多いのではないでしょうか?

私もマンション購入時に新築か中古かどちらにしようか迷いましたが、結果的に中古マンションを選択しました。

中古マンションを実際に購入してからわかった、メリットやデメリットをご紹介したいと思います。

新築マンションと中古マンションの違いって何?

新築マンションと中古マンションって、一体何が違うのでしょうか?

  • 新築マンション:竣工してから1年未満かつ未入居物件のこと
  • 中古マンション:1度でも人が入居したマンション
  • 新古マンション:竣工して1年以上の未入居マンション

つまり、竣工後1年未満であったとしても、一度入居したという経歴があれば「中古」とカウントされます。未入居物件でも、竣工後1年以上を中古としています。

竣工から1年以上経ち、当初の売主から別の不動産会社などが買い取って再販される「再販物件」や「クリアランス物件」などと呼ばれる新古マンションもあります。

一度入居しただけで中古ですから、中古という名前だけで「古い」「汚い」というわけではないのです。

中古マンション購入7つのメリット

マンションの室内

1. 比較的物件価格が安いことが多い

2018年度首都圏新築・中古マンション 価格比較

中古マンションは築年数にもよりますが、同程度の立地の場合、新築より1〜5割程度価格が安いことが多いです。

東京カンテイ「マンションデータ白書2018」によると、首都圏では新築と比べて平均成約価格で2,000万円以上の差がでています。

資産価値を重視するならば、利便性がよく値下がり率の低い都心部の中古マンション、少しでも価格を抑えたいなら、都心から離れた郊外の中古マンションがおすすめです。

新築時はなかなか手が出せなかった物件も、今では大幅に値下がりしている物件も少なくありません。

2. 個人からの購入であれば消費税はかからない

新築住宅の場合は建物価格にのみ消費税がかかり、土地価格は非課税ですが、中古マンションの場合はどうなのでしょうか?

中古マンションを購入した場合、売主が不動産事業者である場合、消費税がかかります。しかし、売主が個人の場合は消費税がかかりません

なぜなら、消費税の納税義務は事業者であり、事業に関わる取引が消費税の課税対象になるからです。

少しでも安く物件を購入したいのであれば、個人が売主となっている住宅を購入するといいでしょう。

3. リフォームを自分好みにできる

新築マンションの場合、最新設備や空間がそろっていても、自分のライフスタイルや好みとは違うことも多々あります。しかも標準仕様では選択肢が少なく、オプションは割高なことが多いです。

いっぽう、中古マンションであれば、安く購入できて余った資金で水回りや建築素材などを自分好みに変えることができます。

私も複数の施工メーカーから相見積もりをし、キッチンやトイレ、壁紙などをリフォームしました。

サービスも価格も自分で選択ができることで、満足度が高いリフォームを実現できます。

4. 現物を自分の目で見て判断できることが多い

新築マンションの場合、未完成で購入することも多いため、モデルルームやパンフレットの図面からイメージをして購入します。そのため実際の日当たりや眺め、風通しなどを確認することはできません。

中古の場合はすでに完成した物件ですから、建物の外壁やひび割れ、エントランスの清掃も行き届いているかなど、実際の管理体制も確認してから購入を決めることができます。

5. ご近所付き合いがある程度想定できる

ファミリー世帯など、マンションの住民層を気にされる方も多いかと思います。特に小さいお子さんがいるご家庭では、ママ友との付き合いが気になりますよね。

中古マンションの場合、居住者から住み心地の感想も聞けますし、近隣の雰囲気や住民の年齢層もわかった上で判断することができます。

ご近所付き合いが購入前からわかることで、トラブルの未然防止にもつながります。

6. 管理状況を見て判断できる

「マンションは管理で買え!」と昔から言われている通り、管理体制はとても大切です。

中古マンションの場合、建物に見学に行くときに管理人さんがどんな方か、建物のメンテナンス状況もしっかりとチェックできます。

エントランスにゴミが落ちてないか、ゴミ置き場は整然とされているか、マナーは張り紙等で周知徹底されているかなど、管理体制を見てから購入を判断できます。

7. 希望エリアの選択肢が広がる

住むエリアにこだわる場合、新築では供給が十分ではないことがあります。その点、中古であれば選択肢がぐっと広がります。

中古なら新築では手が届かないエリアでも手が届くかもしれません。

子供の頃から住んでいる街でずっと住み続けたい、実家の近くで暮らしたいなどエリアを限定したい場合、中古の方が実現しやすいです。

中古マンション購入7つのデメリット

窓辺にある観葉植物

中古マンションには良い面もたくさんありますが、やはりデメリットも多々あります。

1.不動産会社に仲介手数料を支払う必要あり

中古マンションを購入するのにかかるお金は、物件価格だけではありません。物件を紹介してくれた不動産会社に仲介手数料を支払わなくてはいけません。

不動産会社への仲介手数料は、物件価格×3%+6万円が目安なので、物件価格2,500万円なら、81万円となり、3,000万円だと96万円にもなります。

物件価格が高くなればなるほど、仲介手数料も高くなりますので注意が必要です。

2. 固定資産税が高い

マンションの敷地が広いと、固定資産税が高くなることがあります。

人世帯当たりの土地の持ち分が広くなると、戸建てと変わらないくらいの固定資産税の負担となるケースもあります。

土地の資産は、地価が下がらなければそのまま下がることなく上がることもありますので注意が必要です。

3. リフォーム費用がかかる

自分好みにリフォームできることはメリットですが、その分お金もかかります。リフォームなんてめんどくさいという方には、向いてないかもしれません。

私もリフォームの見積もりをしている中で、予算オーバーにより、フローリングの貼り替えは諦めました。住んでから「やっておけばよかったなぁ」と非常に後悔しています。

仲介手数料など、中古マンションは新築マンションよりも諸費用が多めにかかります。

リフォームするときはあらかじめリフォーム費用を見積もっておかないと、かえって割高になることもあります。

4. 旧耐震や旧々耐震基準マンションなど耐震性に不安がある

「駅近で立地がよく、リノベーションされていてキレイなのに、価格も安い」という物件があるとします。

相場より安い理由として多いのが、「旧耐震基準」や「旧々耐震基準」で建てられているマンションの場合です。

  • 旧々耐震基準:1971年(昭和46年)以前の物件
  • 旧耐震基準:1981年(昭和56年)以前の物件
  • 新耐震基準:1981年(昭和56年)以降の物件

旧耐震基準以前のマンションは、1995年の阪神・淡路大震災の被害状況の調査結果、大破が多かったという現地調査の結果が出ています。

これを知ってしまうと、さすがに旧耐震基準以前のマンションには住めませんね。新耐震基準については住宅ローン「フラット35」の利用条件にも含まれています。

マンションを売りたいがために、リノベーションして販売するケースが増えています。大震災の発生時には危険を伴いますので、くれぐれも注意が必要です。

5. 設備やデザインなどが陳腐化している可能性がある

最新型のマンションには、友人や親戚が泊まれるゲストルームや、安心して子供を遊ばせられるキッズルーム、無料で利用可能なフィットネスジムなど、便利で楽しそうな施設が用意されています。

比べてしまうと、中古マンションの場合は共用施設がほとんどなく、設備やデザインなどが陳腐化している可能性もあり、ストレスを感じることもあります。

6. バリアフリーやセキュリティ対策が弱いことが多い

フローリングやお風呂場など、部屋から段差を取り除くバリアフリー化が進んでいますが、古い中古マンションにはまだまだ段差があるケースが多いです。

オートロックもない場合が多く、セキュリティ的に不安になることもあります。

7. ペットの飼育ができない可能性がある

最近の新築マンションでは、ペットの洗い場ができるなど、ペット飼育OKのマンションが増えてきています。

しかし、高経年のマンションではいまだにペット禁止のところがあります。ペットを飼いたい方は、管理規約をきちんと読むことが大切です。

中古マンションは実際によく見ることが大切

窓のある部屋

中古マンションの最大のメリットは、なんと言っても新築ではとても手が出せないような物件が手に入れられることです。

家は人生で最大に高い買い物だからこそ、価格面を抑えられることはかなり魅力的と言えるでしょう。

部屋の中を内覧できることで、「こんなイメージじゃなかった」「近所の人がうるさい!」という、新築時にありがちなトラブルも少なくなります。

価格も大切ですが、長年住むからには「人」や「場所」との相性も大切です。

メリットやデメリットを頭にしっかりと入れつつ、あなたにぴったりの家が見つかるといいですね。