元夫と離婚した後もしばらく同居していましたが、やっと区切りがついて新しいスタートを切ってから早くも5ヶ月が経過しました。
子どもたちと新しい人生をスタートさせる場となる新居探しは、家庭の土台を固める場としてとても大切です。
一人で家計を支えていくシングルマザーとしては、家賃はできるかぎり抑えたいところ。しかし、あまりにもお金のことばかり考えてしまうと、子どもたちの笑顔が消えてしまわないかと心配になってしまうのも事実。
一人だけの収入で借りられるかなど不安要素もたくさんあるなかで、私が家探しで重視したことをご紹介したいと思います。
子どもたちに転校の意思があるかどうか

我が家の娘たちは、すでに小学生。保育園時代から仲の良い友だちがたくさんいて、毎日学校に楽しく通っているようです。
小・中学生の子どもがいる家探しでポイントになるのが「学区内」か「学区外」です。学区外までOKとなると、広範囲で探すことができます。
家探しをするときに、もっとも優先度を上げたのが「子どもたちに転校する意思があるか」ということです。
親の都合を優先しなければならない場合もあるかもしれませんが、私は子どもの意思を第一に尊重することにしました。
姉は「絶対に転校はイヤ!」とかたくなに転校を拒否。妹は「どちらでもいいよ」とこだわりがない様子。たくさんの友達に支えられている姉の意思を尊重する必要があると感じました。
そのため、小・中学校ともに転校しなくても済む「学区内」のエリアで家探しをすることにしたのです。
高学年ぐらいになると、子どもでもきちんとした意思を持っていますので、親子でしっかり話し合うことが大切ですね。
元夫と子どもとの面会交流が気軽にできる距離かどうか
元夫と交わした離婚協議書では、子どもたちとの面会交流についてとくに制限を設けることはしませんでした。
元夫が暴力を振るう恐れもなかったですし、子どもたちにとって父親であることに変わりありません。
思春期に突入寸前の姉は「お父さんの近くなんてイヤ!」という状態でしたが、次女は「週末はお父さんと遊びたいな」と。
私は元夫とすぐ近くに住むなんてイヤでしたが、子どもたちの意見を尊重し、自らの足で行き来しやすい徒歩圏内に探すことにしました。
家を買うか、賃貸にするか
家探しの究極の選択と言えば、家を買うか、賃貸にするかですよね。
シングルマザーでも安定的な収入があれば、家を購入できます。分譲のほうがファミリー向けの物件が多数あるのも事実です。
しかし、私は家をローンで買うリスクを痛いほど経験していたため、家を購入する意思はまったくありませんでした。
新居は、賃貸に絞って探すことにしました。
一人分の収入で払える物件かどうか

子どもたちの意思も大切なのですが、家計を支えていくのは親です。しかも今までとは違い、一人分の収入で家賃を払っていく必要があります。
手取り収入から家賃・生活費を差し引き、少しでも貯金ができる家計が維持できるかどうかを計算してみることにしました。
しかし、一人分の手取り収入だけでは、ファミリーが住めるような賃貸の家賃を払い続けるのはなかなか厳しいのが現実。
地方自治体から支給される手当も加味し、年間トータルで家計を維持できるかどうか何度もシミュレーションし、無理なく支払える家賃の物件を探すことにしました。
自治体によって、ひとり親世帯の住宅補助制度もあります。自治体によってその金額は異なりますが、だいたい月5,000円~10,000円の補助がでます。
お住まいの自治体に確認して、必ず申し込みましょう。
公的賃貸物件や敷金・礼金ゼロ物件か

公的賃貸物件は申し込みに条件がありますが、賃貸住宅よりもはるかに格安で入居できます。
公募抽選で決められることと、収入が一定の範囲内であること、住宅に困窮していることなどの条件があります。東京都ですと「JKK東京」があります。
少しでも家賃を安くおさえたいと思う人は、申し込みすることをおすすめします。
公的賃貸物件「JKK東京」のメリット・デメリット-礼金・仲介手数料・更新料不要の物件を探しているなら要チェック
公的賃貸物件以外にも、敷金・礼金ゼロ物件が多数出ています。貯金もなく、初期費用がほとんど出せない人にはありがたい物件です。
しかし、保証料や室内のクリーニング代を最初に払わなければならない物件もありますので、契約する前にしっかりと確認しましょう。
私は公的賃貸物件を散々探した挙げ句、最終的には「敷金・礼金ゼロ物件」を申し込みました。
公的な機関が近くにあるかどうか
頼れる人が身近にいないシングルマザーにとって、身内よりもありがたいのが、公的な機関です。
役所・図書館・郵便局、学童や児童館、公的に整備された公園や運動施設など、親も子どもも頼れる施設がすぐ近くにある場所を探しました。
役所では、無料で法律相談・人生相談ができます。悩んだ時は駆けつけるようにしています。
子どもたちには「何かあったら、学童や児童館に逃げるんだよ」と。強い見張り役になってくれています。
それぞれ孤立しない程度の間取りかどうか
家の中には、幸せなことに3人もいます。
それぞれ孤立せず、家の中では楽しく会話できるようにと、みんながリビングに集まれる間取りかどうかを重視しました。
子どもが成長するにしたがって、どうしても一人で引きこもるようになってしまいます。
集中して勉強できる机は確保しつつ、普段はリビングのテーブルにみんなが集まって、宿題や団らんができる間取りを重視しました。
小さいリビングながら、3人で1つのテーブルを囲んで楽しく会話ができています。
シングルマザーの家探しで私が捨てたもの

家探しをする上で、シングルマザーの私が捨てたもの。それは「持ち家」と「便利な設備」です。
住宅ローンの名義変更を元夫から私にするのも難しかったですし、住宅ローンを払えなくなった時点で家が競売にかけられるリスクもあります。
幸いにして私が働いて収入を得ていたため、子どもたちと新居を探したほうが再出発ができるかなと思い切って「持ち家」を捨てました。
分譲マンションに暮らしていたため、豪華な共用設備や便利なサービス、システムキッチンに足を伸ばせるお風呂やタンクレストイレ、いろんな設備も同時に諦めました。
なぜ、捨てられたのか?
私が人生の中で重要視したのは、「建物」ではなく「子どもたちとの笑顔あふれる暮らし」だからです。
豪華な建物や設備がなくても、たとえボロくて狭い家でも、子どもたちと笑顔で過ごすことが私にとって一番の幸せだと、心が強く訴えてきたからです。
不便なこともたくさんありますし、泣きたくなることもたくさんあります。
しかし、以前に比べると私の笑顔が戻り、それが子どもにも伝わり、思い切って「捨てた」ことによってたくさんの幸せを「得る」ことができたのです。
人生で何が大切なのか。自分の中で優先順位を決めて選ぼう

今までのような生活が送れなくなり、子どもたちにも何かしら辛い思いをさせてしまうことで、新居探しはとてもしんどかったです。
一人分のお金で生活できるのか。
一人で家事をこなしていけるのか。
見えない不安で心が押しつぶされそうになり、冷静な判断ができなくなることもあります。
でも、自分の人生で一体何が幸せを感じるのか?
それをじっくりと考えたとき、自分にとって最適な家を見つけることができました。
他の家庭と比べることなく、自分の中で優先順位を決めて選んだ家なら、後悔することなどありません。
人生で大切なことは何か。
何かを捨てないと、何かを得られないこともあります。
人生のなかで迷いながらも、あなたの心が一番納得できる家探しをしてみてくださいね。