JKK東京の物件を見学したけれど申し込みをやめた理由-礼金・仲介手数料ゼロでも想定外の初期費用

JKK東京の外観

公的機関の賃貸物件を取り扱う「JKK東京(東京都住宅供給公社)」の物件を見学に行き、調べてみると様々なメリット・デメリットがあることがわかりました。

公的賃貸物件「JKK東京」のメリット・デメリット-礼金・仲介手数料・更新料不要の物件を探しているなら要チェック

ファミリー物件も多く、礼金・仲介手数料・更新料が0円など、子育て世帯にはうれしいメリットが多数あることがわかり、インターネットで検索して内覧に行ってみることにしたのです。

見学に行ったのは、都内にある築35年の3DK、家賃7万円の物件です。

しかし、設備費用を試算した結果、想定外の初期費用がかかることがわかり、予算オーバーで断念することになったのです。

JKK賃貸物件はネット予約後に管理センター手続き

民間の賃貸住宅ですと、不動産屋さんに行って物件の詳しい内容を確認したあとは、営業担当の方とともに内覧に向かうことが多いです。

しかし、JKK賃貸物件の場合、ネットで内覧の予約をした後は「内見受付票」を印刷して管理センターに持っていき、鍵とスリッパを受け取った後は自分達だけで内覧します。

営業担当がいない分、気楽に見学できますが、ブレーカーのスイッチを自分で押す必要があるなど、内覧に慣れてないと少々戸惑うかもしれません。

一人で見学するのは不安という方はネットで申し込まず、JKK東京と提携している不動産屋さんに斡旋していただき、同行してもらうとよいでしょう。

斡旋でも仲介手数料はかからないので、一度問い合わせてみてください。

築35年のJKK賃貸物件の内覧をした結果、気になった設備

JKK東京の物件

実際に内覧した物件の建物は、造りが非常にしっかりしており、2年前にリフォーム済み。床もピカピカに清掃が行き届いていることにびっくりしました。

しかし、内覧していると、次第に設備で気になる点がいくつかでてきたのです。

お風呂がステンレス製

JKK東京のお風呂

お風呂のドアを開けてみてびっくり!内釜がステンレス製で追い焚き機能もついてません。どことなく昭和の香りが漂うお風呂です。

分譲マンションのシステムバスのように、足を伸ばしてゆったりと入れるようなスペースはなく、体育座りで入るような形です。

お風呂でゆっくりしたい人には不向きですね。

窓に網戸がついてない

JKK東京の窓枠

当たり前のようについている網戸がついていません。

エアコンだけに頼るなら網戸はなくても大丈夫かもしれませんが、夏場は虫が入ってくる心配がありますし、やはり換気はしたいところ。

ポストに投函されている網戸の販売業者にお願いするとぼったくりに遭うこともあるようで、管理センターから紹介してもらって自分で用意するのがおすすめだそうです。

室内がバリアフリーではない

部屋の中はお風呂やトイレの前に大きな段差があり、バリアフリーではありません。

ベランダに出る部屋にも大きな段差があり、気をつけて歩かないと、つまづいてしまう可能性もあります。

キッチンがシンプルでガスコンロがない

JKK東京のキッチン

キッチンがクリーム色で、いわゆる「公団キッチン」というタイプが入っています。

オープンタイプではなく、古めかしさを感じるため、「憧れのキッチンだわ!」という感じでもありません。

しかも、ガスコンロがついていません。民間の賃貸でもついていない物件が多数あるため、JKK東京だけが特別というわけではないです。

必要な棚は揃っているのですが、お皿を入れる場所もほとんどなく、料理好きな人には、ややテンションが下がってしまうことでしょう。

トイレにウォッシュレットがない

JKK東京のトイレ

トイレに当たり前のようについていると思っていたウォッシュレットがついていませんでした。

シンプルに便器がついているだけです。

ウォシュレットのない生活が当たり前の方には、特に何も不便は感じないかと思いますが、今までずっと使ってきた方には、とても不便さを感じてしまうことでしょう。

エアコンダクトの穴と室外機置き場がない

JKK東京の窓

通路側に面した北側の2つの部屋は、エアコンダクトの穴がついていませんでした。しかも消防法により、通路側に室外機を置いてはいけないとのこと・・・。

ダクトの穴を勝手に開けることもできず、エアコンの設置はどうしたらいいのかと管理人さんにお聞きしたところ、窓用エアコンなら設置可能とのことでした。

実際に住んでいる部屋も調査してみましたが、ほとんどの方が窓用エアコンを設置していました。

壁掛けエアコンを移設できないため、新しくエアコンを買い換える必要があります。

収納にポールがついてない

JKK東京の収納

収納にハンガーを吊るせるポールがついていません。

木の仕切りがついているため、箱に入れて収納してしまえばいいかもしれませんが、ワイシャツなどは不便です。

突っ張り棒などを別途購入する必要があります。

天井や部屋の角に大きい柱あり

JKK東京の柱

天井や部屋の角に大きい柱がむき出しになっており、天井は圧迫感を感じ、部屋の隅にモノを置きづらくなっています。

部屋によってはど真ん中に柱がある場合もあり、レイアウトの自由度が下がってしまう可能性大です。

築35年以上の特有のニオイ

部屋に入ると、なんとなくカビくさいというか、物件特有の何とも言えない古臭いニオイが染みついていました。

何十世帯が住んできたであろうニオイと建物独特のニオイは、実際に住むとなると「そのうち、慣れるのだろうか?」と、心配してしまうほどに。

ニオイだけは、実際に内覧に行かないとわからないことだなと思いました。

生活に必要な設備を見積もった結果、想定外に予算オーバー

実際に内覧をしてみて、フローリングはピカピカだし、ファミリー向けの間取りで使い勝手が良さそうということで前向きに検討していたのです。

しかし、生活に必要な設備を見積もった結果、想定外の結果となりました。

設備見積額
ガスコンロ15,000円
食器棚60,000円
食器洗い乾燥機60,000円
ウォシュレット15,000円
窓用エアコン(2台)80,000円
網戸(全部屋分)50,000円
合計280,000

食器洗い乾燥機はなくても生活に支障はありませんが、他は生活をしていく上で必要不可欠の設備と言えます。食器棚も持ってないため、購入する必要があります。

特にウォシュレット・窓用エアコン・網戸が想定外の予算オーバーです。中古品を譲ってもらったりすれば、さらに安く済ませられるかもしれません。

この他に、引越し代やカーテンなども揃える必要がありますので、トータルで予算オーバーとなったため、JKK東京の物件はあきらめることにしたのです。

家賃以外にも想定外の出費に気をつけよう

築35年と建物も老朽化していたものの、部屋はリフォーム済みでとてもピカピカだったので、築年数が古くても大切に使えば住めることがわかりました。

ファミリー物件にしては家賃がとても安かったのですが、生活に必要な設備をすべて揃えるとなると、今回は予算をはるかにオーバーしてしまう結果となりました。

家選びをするときに、家賃・敷金・仲介手数料などのお金ばかり目がいってしまいますが、実際に生活するために必要な設備を揃えるとなると見えない出費がかなりあることに気づきます。

JKK東京でも新築物件が続々と建設されており、認可保育園や子育てひろばがついていたり、ウォシュレットや食器洗い乾燥機つきのシステムキッチンがついているなど、分譲マンションのような物件もあります。

反対に築40年以上の物件で、トイレと風呂は一緒、和室しかない物件もあったりと、一口に「JKK東京」と言っても様々な物件があります。

JKK東京でお部屋を探すときも、実際にいろいろ見て回って自分の目で確かめ、きちんと試算するといいですよ。